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2011年4月 9日 (土)

放射能報道、基本をおさえて正しく理解しよう!

江戸川系金町浄水場(葛飾区)で放射性ヨウ素131が検出された辺りから、書こうか書くまいか迷ってましたが、漁業への風評被害が出始め、仲間にも理解していな者や水道水を心配している方が多いことから、書くことにしました。

福島原発の事故で、毎日毎日TVや新聞での報道やネットからの不明確な情報が大勢の方を混乱させ不安を煽っており、その影響で風評被害も莫大なものになる思われます。

3月末より池上彰さんも特集で何度も放射能、放射性物質、放射線や被ばくについて説明してくれていたように、最近は我々にも理解出来るように説明しはじめてくれているとは感じます。

マスコミ報道では、文字数や我々に与えるインパクトから、“放射能” という言い方をよく使っています。マスコミが言う“放射能漏れ”は、正しくは“放射性物質漏れ”を指しているケースが多いようです(中には“放射線漏れ”の場合もあり)。単位や文脈から、我々が正しく判断する必要があるのを感じます。

また、インパクトある大きな数値が出ると報道しまくるのに対し、数値が下がった朗報はインパクトが無いと考えているのか積極的に報道はしない。
やれやれ ┐(´~`)┌

当初、某ニュース番組では、農家に訪れたレポーターが放射線探知機を手に、「ホウレン草のビニールハウスの外と中で、探知機が示す値はほぼ同じです!ビニールがあるのでホウレン草には放射性物質は付着してないはずですが」なんてお馬鹿なレポートをしてました。

ヨウ素-131やセシウム-137の放射線はビニールなんて透過するという基本的な事を知らんのかね?
もう少し勉強してから正しく報道して欲しいと思いました。

とは言うものの、ベクレルやらシーベルトやら暫定規制値やら実効線量等々、とにかく聞き慣れない用語に加え、政府や専門家が我々素人に分るように説明してくれないから余計に不安になるわけです。

そこで、一緒に勉強できればと思い書き記しておくことにしました。(^。^

既に理解している人も居るかと思いますが、まずは基本から始めないと次の説明に繋がらないので、お付き合い下さいませ <(_ _)>

尚、全ての情報をここに書くと読み切れないボリュームになってしますので、簡単に纏めたものにしてあります。詳細は以下の情報ソースを参照下さい

本記事の情報ソースは、以下のサイトより
◆原子力百科事典ATOMICA
  http://www.rist.or.jp/atomica/
◆茨城県つくば市 放射線科学センター
  http://rcwww.kek.jp/kurasi/index.html
◆独立行政法人 放射線医学総合研究所
  http://www.nirs.go.jp/index.shtml
◆緊急被ばく医療研修
  http://www.remnet.jp/
◆特定非営利活動法人 原子力資料情報室
  http://cnic.jp/
◆Wikipedia
  被ばく http://ja.wikipedia.org/wiki/被爆
  シーベルト http://ja.wikipedia.org/wiki/シーベルト
  ベクレル http://ja.wikipedia.org/wiki/ベクレル
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

放射能(radioactivity)とは、

放射線(radioactive ray)を出す活性力、放射線を放射する強さのこと。
 
つまり、「放射線」を出す能力が「放射能」であり、放射能を持つ物質を「放射性物質」と言う。
 
■放射性物質、放射能の単位
 ベクレル(記号:Bq):
   1秒間に崩壊する原子核の数。放射線を放射する強さ。
   放射能は直接測定することは難しく、放射線を測定し放射能の
   強さに換算している場合が多い。
 
■放射線の単位
 グレイ (記号:Gy):
   吸収した放射線のエネルギーの総量
 
 シーベルト (記号:Sv):
   人体が吸収した放射線の影響度を数値化した単位
   放射線防護の分野で(原発事故の際に)使われる
 
 シーベルトとグレイの換算式:
 Sv = 放射線荷重係数 × Gy
     X線、β線、γ線の放射線荷重係数は1
     α線の放射線荷重係数は20
 
■半減期
 ◆物理学的半減期
  単に半減期と言うこともある
  放射性同位元素が次第に壊れ元の数の半分に減る時間のこと
  放射性物質の種類によって定まった値を持つ
  各放射性物質毎の半減期は以下URL参照
  http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
 
 ◆生物学的半減期
  体内に取り込まれた放射性物質は、物理学的半減期とは別に、
  排泄されるなどして体外に排出されることで大きく減る
 
 ◆実効半減期
  物理学的半減期と生物学的半減期を合せたもの
  人体への影響は、実効半減期で考えなければならない
  また、家畜や魚も、実効半減期で考えるべきである
 
■被曝(被ばく)
 ◆外部被曝
  放射線源が体外にあり人体表面から放射線を照射される被曝
  宇宙線、人工放射線(原発・研究施設・病院等などから放出され
  る放射線、米ソが過去実施した大気中核実験や原発事故により
  大気に飛散している放射性物質からの放射線)、自然放射線、
  医療放射線など
 ※被ばくの実効線量限度には、自然放射線被曝と医療被曝は含
  まない
 
 ◆内部被曝
  経口摂取や吸引摂取した放射性物質による人体内部からの被曝
  内部被ばく量を表すには、放射性物質の量(放射能値:ベクレル)
  をベースにし実効線量を算出する
  #放射線(シーベルト)は飲食出来ないからね。 (^^;
  尚、体内に摂取された放射性物質から組織や臓器の受ける線量
  を算出することは容易ではない。吸収率や半減期も考慮しなけれ
  ばならない。
  そこで、それらを考慮し、放射性物質の量と被ばく線量の関係を
  表す係数(実効線量係数)を使い被ばく線量を算出する
 
■実効線量
 放射線防護の目的にのみ使用される単位で、全身が均等に照射さ
 れても不均等に照射されても、放射線の線 質が違っても、人体に
 確率的影響が起きる(被爆時の)健康障害を評価する尺度の1つ
 01
 ※未だTV等では、一般公衆の放射線限度は1mSvという説明をし
 ているが、これはあくまで正常時の医療を除く人工放射線量の
 限度のこと。
 現在は、原発事故の防災対策事態(緊急時)のため、この指標は
 引きあげられている。現在我々に適用される緊急時の指標は
 原子力発電所の作業員と同等と考えるのが妥当であろう。
 線量限度について、ATOMICAの資料を参照あれ
 一般公衆: http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040108/02.gif
 作業員: http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040108/01.gif
 
■実行線量係数
  摂取した放射性物質の量と組織や臓器が受ける線量の大きさ
 との関係をあらかじめ求めておくことにより、放射性物質の量に
 対応した被ばく線量を計算することができるようにした系数

 実効線量(Sv) = 放射能量(Bq/Kg) x 実行線量係数
 
 以下に一例を示す
 実効線量係数の詳細は以下URLを参照あれ
 http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
 
 ヨウ素131(I-131)経口摂取の場合:
   実効線量(Sv) = 放射能量(Bq/Kg) x 2.2 x 10^8
 
 セシウム137(Cs-137)経口摂取の場合:
   実効線量(Sv) = 放射能量(Bq/Kg) x 1.3 x 10^8

■預託実効線量
 体内に入った放射性物質が生物学的半減期により減っていくこと
 を織り込み、50年間の被曝線量を積算したものが預託実効線量
 である。摂取後50年間に受ける線量を最初の1年間で受ける
 (預託)として計算する。
 
 預託実効線量(Sv) = 実効線量係数×年間の核種摂取量(Bq)
              ×市場希釈係数×調理等による減少補正

■放射性物資と放射線の種類
 以下、各地で検出された放射性物質について示す
 他の放射性物質を含め詳しくは以下URLを参照あれ
 http://cnic.jp/modules/radioactivity/
 
 ヨウ素-131
  γ線(ガンマ線)&β線(ベータ線)
  ガンマ線は放出されるが、大量に摂取した場合のベータ線による
  甲状腺被曝が大きな問題となる
 
 セシウム-137
  γ線(ガンマ線)
  医療用の放射線源に使われるが、体内に入ると血液の流れに
  乗って腸や肝臓にガンマ線を放射し、カリウムと置き換わって
  筋肉に蓄積したのち、腎臓を経て体外に排出される
  セシウム137は、体内に取り込まれてから体外に排出されるまで
  の100日から200日にわたってガンマ線を放射し、体内被曝の原因
  となる危険な放射線物質である
 
 プルトニウム-239
  α線(アルファ線)
  原子炉を運転すると、プルトニウム-239が生成し、核分裂すると
  ともに中性子を捕獲してプルトニウム-240などが生じる
  したがって、原子炉内に蓄積するルトニウムは、いくつかの同位
  体の混合物である
 
■放射線の透過力
 アルファ線は紙一枚でも遮ることができる。また、空気中でも
 数センチメートルしか透過しない
 ベータ線は薄いアルミニウムの板一枚で遮へいできる
 ガンマ線は透過能力が強い放射線であり、遮蔽能力が高い鉛
 でも遮蔽には約10 cmの厚さを要する
 02
 http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-30.pdf
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
3月23日東京の金町浄水場(葛飾区)で放射性ヨウ素131が1リットルあたり210ベクレルの放射能値を検出したことで東京は大パニックになりましたね。
 
この数値を、経口摂取した際の内部被ばく線量(実効線量)は、
 
内部被ばく線量Sv = 210Bq × 2.2 × 10^-8 
   = 462 × 10^-8
   = 0.00000462 Sv
   = 0.00462 mSv
 
この数値の水を1リットル飲み干して、0.00462 ミリシーベルトの被ばくです。
 
これは、飛行機が飛ぶ上空12,000mで1時間に受ける放射線(毎時0.005ミリシーベルト(地上の約150倍))より若干弱い値。
03
http://www.tepco.co.jp/nuclear/hige/qa/thi/bqa/qa-b7-j.html
 
「金町浄水場の水1リットル飲んだら受ける被ばく量は地上の約150倍の放射線量になります!」と言われれば恐怖と不安を覚えるかと思いますが、
「上空12,000mを飛ぶ飛行機の中に1時間居るより弱い微々たるものです」と言われれば、「なぁ~んだ!そんな程度か」と不安にはならないのでは?(^^

野菜や魚の件もそうだが、どうして、このような表現・説明が出来ないのかなぁ~
「安全ですから、水の買い締め、野菜や魚の買い控えをしないで下さい。」と言われても、分り易く説明しなきゃ国民はパニックになりますよね。

以上、
今回はここまで!(^^

微量な放射線量(まったくの安全値)より、一部のマスコミやネットの心無い情報配信によるストレスの方が、ず~と体に悪いと私は思います。間違えない!
 
マスコミ被災、ストレス障害にあわないよう、皆さんご注意あれ!

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